塗料・インクにおける溶液物性の基礎とその制御・評価 ~溶解性(SP値)、分散安定性、ぬれ性、粘性、乾燥性および各種添加剤の配合処方~
構成
発刊:2009年9月 体裁:B5判ソフトカバー 190ページ
分野
固有技術 > 化学技術
制作
価格
45,100円 (税抜 41,000円) 1点 在庫あり
商品説明
塗料・インクの開発、設計において、求められた品質を得るためには、特徴的な各種物性(パラメータ)の理解とその制御が重要となります。
本書はそのような各種物性を総括的に理解することを目的とし、その基礎的な考え方から実製品への適用までを解説しております。
◎各種パラメータの理解と塗料設計への活用法
・ぬれ:接触角・表面張力と塗膜付着性
・チクソ性等の粘性パラメータとそのコントロール
・レオロジーと塗膜物性、硬化過程の粘度弾性
・ゼータ電位、粒子径分布と分散安定性評価、顔料分散の制御
・溶解性パラメータ(SP値)の塗料設計への活用事例
・高分子、顔料のSP値決定法
・乾燥性、乾燥パラメーター
◎各種添加剤の役割、作用機構とその使用方法
分散剤、レベリング剤・消泡剤、レオロジーコントロール剤、、、
発刊にあたって
●(株)トウペ 田中 芳郎 (第1章)
●日本シイベルヘグナー(株) 宮本 圭介 (第2章)
●ビックケミー・ジャパン(株) 若原 章博 (第3章)
●職業能力開発総合大学校 坪田 実 (第4章)
●日本ペイント(株) 郷司 春憲 (第5章)
●御国色素(株) 門脇 徹治 (第6章)
●日本ペイント(株) 小林 敏勝 (第7章)
●金沢工業大学 小川 俊夫 (第8章)
内容紹介
第1章 塗料・コーティング剤の溶液物性を支配する各種パラメータとその制御の基礎
1.各種溶剤のぬれ性とそれを支配する因子
2.各種溶媒の溶解性とそれを支配する因子
3.乾燥性能・乾燥パラメーター
4.分散性・分散安定性ゼータ電位
5.粘性・粘度(レオロジー)
6.経時変化の測定
第2章 粘度および粘弾性の測定
1.塗料・インクの粘度を決定する因子
2.塗料・インクの粘度の測定法
2.1 ストーマー粘度計
2.2 E型粘度計
2.3 B型粘度計
2.4 回転型粘弾性測定装置
3.塗料のレオロジーが塗膜の物性に与える影響
4.塗膜硬化過程の粘弾性特性評価
4.1 塗膜硬化過程の評価
4.2 塗料・インキ材料の塗布後の紙への浸透に伴う粘度上昇の評価
第3章 添加剤の作用機構と使用のポイント
~塗料の安定性を得るための選択方法~
1.顔料の分散と安定化
1.1 添加剤の機能
1.2 顔料湿潤分散剤の機能
1.3 湿潤分散剤の構造
1.3.1 一般構造
1.3.2 溶剤系用湿潤分散剤
1.3.3 水系用分散剤および湿潤剤の構造
1.3.4 コントロール重合による湿潤分散剤
1.3.5 沈降防止のための分散剤
2.レベリング剤と消泡剤による膜表面のコントロール
2.1 レベリング剤
2.1.1 シリコン系レベリング剤
(1)有機変性の役割;相溶性
(2)ジメチルとメチルアルキルの違い;表面張力
(3)界面活性剤構造;水系用
2.1.2 アクリル系レベリング剤
2.1.3 動的表面張力の低下(水系)
2.1.4 反応性を持つもの;架橋性の付与
2.2 消泡剤
3.レオロジ-コントロール剤の作用メカニズムと選択方法
3.1レオロジーコントロール剤
3.1.1 概観
3.1.2 ユリアウレタンタイプ
3.1.3 水系レオロジーコントロール剤の粘性挙動の比較
第4章 ぬれ性・表面張力の評価と制御
1. 塗料のぬれ性とその影響
1.1 ぬれ性と表面張力
1.1.1 表面張力
1.1.2 ぬれ現象
1.2 塗料のぬれ性と塗膜の付着力
1.2.1 拡散説と吸着説
1.2.2 付着力の解明
2.ぬれ性・表面張力の評価と制御
2.1 ぬれ性の評価・試験方法
2.1.1 液体の表面張力γの測定法
(1)デュヌイ法(リング法)
(2)ウイルヘルミィ法(Wilhelmy法)
(3)液滴法
1)形状法(けん滴法、またはペンダント・ドロップ法)
2)滴数法
3)液滴重量法
2.1.2 固体の表面張力γの測定法
(1)ぬれ指数標準液を塗布し、γCを求める方法
(2)ジスマンプロットからγCを求める方法
(3)水とヨウ化メチレンの接触角から固体の表面張力γSを求める方法
2.1.3 疎水性粉末(粉体)の表面張力γの測定法
2.2 ぬれ性の制御とそのケーススタディ
2.2.1 ぬれ性の制御
(1)異種界面のエネルギー差をなくすこと
(2)ぬれる・ぬれないという2値化された表面を形成すること
2.2.2 脂肪酸による表面改質効果
第5章 分散性の評価とその制御
1.分散系の生成方法
2.分散系の安定性とその評価技術
2.1 直接的方法-粒子径の測定技術
2.2 間接的方法-光学的評価方法
2.2.1 着色力
2.2.2 光沢
2.3 安定性の評価
2.3.1 ペーパークロマト法
2.3.2 ラビング試験
3.分散剤の作用機構と選択方法
3.1 顔料分散剤の種類
3.2 高分子顔料分散剤
3.3 非水系での顔料分散剤の設計技術
3.4 水系での顔料分散剤の設計技術
4.非水系および水系における顔料の分散安定性
4.1 非水系
4.2 水系
5.分散系の安定性とレオロジー特性
5.1 分散系の粘性挙動
5.2 降伏値
5.3 チクソトロピックファクター
第6章 塗料・インクにおける顔料分散の制御と評価
1.はじめに-顔料分散の制御と物性-
2.分散メカニズム
3.分散剤
3.1 分散剤による分散安定化機構
3.2 顔料吸着のメカニズム
3.3 分散剤の分子量と吸着安定の関係
3.4 顔料誘導体
4.分散機
4.1 ビーズミル
4.2 ロールミル
5.分散度の評価方法
5.1 粒子径分布の測定
5.1.1 動的光散乱法
5.1.2 レーザー回折・散乱法
5.2 ゼータ電位測定による顔料分散安定性評価
5.3 光沢値と降伏値
第7章 塗料設計における溶解性パラメーターの活用
1.構成成分間の親和性と溶解性パラメーター
2.溶解性パラメーターの基本理論
3.溶解性パラメーターの成分分け(三次元溶解性パラメーター)
4.塗料分野における高分子、顔料のSP値の決定
4.1 高分子のSP値の測定
4.2 顔料表面親水性度のSP値による定量化
4.3 Hansenパラメーターによる高分子や顔料のSP値の測定
4.4 計算によるSP値の決定
5.塗料設計に向けたSP活用事例
5.1 アセトン滴定法により決定した
疎水性顔料のSP値と水性塗料中での分散速度
5.2 アクリルオリゴマー濃厚溶液の粘度
5.3 傾斜構造塗膜中でのマトリクス成分樹脂間相分離制御
5.4 プラスチック素材中への塗料の浸透性制御
第8章 高分子の溶解性と溶解性パラメータの求め方
1. 溶解の熱力学
2. 溶解性パラメータ
3. 溶解性パラメータの計算例